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「わかったわ。その代り、約束して。家事の分担、これからはちゃんと守るって」

「うん、約束するよ」
男の顔に安堵の色が見えた。

「じゃ、疲れたから、今日はもう寝るわ」
あなたは、軽い嘘をついた。それほど疲れていたわけではない。

「え? もう寝るの?」
「あ、洗い物はちゃんとするから」
「いいよ、疲れてるんだろ? 俺がするよ」
「いいわよ、ちゃんと分担しましょ。今日は作ってもらったから、わたしが片づけるわ」
「そう? じゃ、よろしく」

あなた少し重い気持ちで立ち上がると、キッチンへ食器を下げ始めた。

「本当に、これでよかったのかしら」
なんとなく、男に押し切られたような気がして、あなたは考えてしまう。

水道を流しっぱなしで、ぼーっとしているあなたに気づいた男が声をかける。

「大丈夫?」
「あ、うん。ごめん。なんか……」
「いいよ、あとは俺がやっとくから」
「ごめん。じゃ、今日はお願いするね。おやすみ」
「おやすみ」

あなたは歯磨きを済ませると、寝室へ向かった。
疲れていたから、というより、本当はひとりになりたかったのだ。
男はきっとまだ、このあとテレビかDVDを見るだろう。1LDKなので、ひとりになれる場所が寝室しかない。

あなたは、タロットに相談することにした。
占う、というよりは、後押ししてもらうためにカードを一枚引く。

【教皇】のカードが出た。

直感で、間違いなかったとわかり、ひとまずほっとするあなた。
きちんと男に改善案を言えたことだし、信じることだと、自分に言い聞かせる。

あとは、先輩か誰かから、この件に関していいアドバイスがもらえるかもしれない。
カウンセラーをしている先輩の顔が思い浮かんだ。
そうだ、彼女に久しぶりに連絡してみよう。

あなたは、先ほどまでの少し重たい感じが、いつの間にかなくなってきていることに気づいた。
ちょうど水星も逆行し始めたことだし、まさに、このタイミングだよね。
水星逆行時は、過去に縁のあるとき。懐かしい人との再会もある。
また、紙に書くことも良いと言われている。紙に書くことで、自分自身の気持ちも整理できる。

あなたはベッドから立ち上がると、男のいるリビングへと向かった。

「あれ、まだ寝てなかったの?」
「うん、ちょっと思い出したことがあって」

あなたは男のほうに顔を向けずに答えると、ソファの上に置きっぱなしだったバッグから手帳とペンを取り出し、また寝室へと急いで戻った。

そして、ベッドの上に座りこむと、今の正直な気持ち、男との同棲について、今後どうしていきたいか、など箇条書きで一気に手帳の後ろのページに書き始めた。

書いているうちに、次々と言葉が浮かんできて、気持ちもすっきりしてきたあなたは、穏やかな気分で眠りに就いた。



【さぁ、どっち? case1 (8)B に続く】





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2016.08.31 / Top↑
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